シティライフ「エンターテインメント」

ブログトップ
シティライフ「エンターテインメント」 › シティライフインタビュー › 【シティライフインタビュー】5月号 松田陽子さん

2011年04月29日

【シティライフインタビュー】5月号 松田陽子さん

シンガーソングライター
国連 UNHCR協会 協力委員
松田 陽子さん



この世に価値のない命は
一つとしてない


3 1 歳で子宮頸がんの宣告を受けた。
死の恐怖から、うつ病、寝たきり、離婚… 。
地獄を見た日々から9 年、
いま、これほどパワフルに歌い、語り、笑い、
ボランティア活動に打ち込む女性が、
ほかにいるだろうか?
「価値のない命なんて、一つもない」と
自らの半生を赤裸々に綴った著書が、
大きな反響を呼んでいる。


著書『生きてるだけで価値がある』
がん・うつ・離婚を乗り越えた半生


―本の冒頭に「もうだめだと思って
いる人に」とありますね

 いまの私は、幼い頃からの夢だったシンガー・ソ
ングライターになり、英語で司会をしたり、CD
をリリースしたり、去年12月にはホノルルマラソ
ンに出場して4時間53分で完走したり…と”スー
パー前向き人間“みたいですが、実は、ほんの
数年前まで寝たきり状態。私自身が「もう
だめだ」と思い詰めていたんです。
 幼児期には、父のDV(暴力)で家庭は
崩壊。小学生のとき歌手のオーディションに
合格したものの、母子家庭でお金がなく、諦
めるしかなかった。結婚して娘が生まれ喜んだのも
束の間、31歳で子宮頸がんの宣告。子宮を全摘し
ても、5年生存率は半々といわれるほど大きなが
んでした。手術後、再発の恐怖から情緒不安定にな
り、眠れず、食べられず、夫とは心が離れ、ついに
起き上がることすらできない寝たきり状態になり
ました。重いうつ病が原因です。「これでは子ども
まで死なせてしまう」と、離婚して実家に帰り、抗
うつ剤を飲みながら仕事を探しました。対人恐怖
症やパニック障害も発症して、もう、ギリギリの状
態だったんですよ。


命を社会に役立てたいと願ったとき
生きる力、生きる希望が湧いてきた



―どうやって”スーパー前向き人間“
に変わったのですか?

 きっかけは『すべては愛のために』というUNHCR
(国連難民高等弁務官事務所)を題材にした映画で
す。この映画を観て、涙が滝のように流れました。
「どうして自分ばかり不幸なの?」と思っていたけ
れど、一滴の水も飲めなくて母親の腕の中で死んでゆく難民
の赤ちゃんの映像に衝撃を受け、自分の甘さに気
づいたんです。私は、がん患者でうつ病だし、寝たき
りだけど、蛇口をひねれば、いつでも水が飲める、
家族や友人の支えがある、食べ物もある。「もし
元気になれたら、難民のため、社会のため、この命を
使おう」と誓いました。すると闇の中に小さな光が
見え始めて…。ほら、楽しい経験は、すぐに忘れるで
しょ?でも、つらい経験は一生忘れられない。苦難を
乗り越えたとき、人は心が磨かれ、成長するんで
す。私の、がん・うつ・離婚も、みんなに語るために経
験させてもらったんだと、理解できました。
 不思議ですが、がん手術以降、曲が次々に降り
てくるようになったんです。人と人の「つながり」の
大切さを、価値のない命は一つとしてないことを、
ライブやセミナーを通して伝えていきたいですね。



被災者支援、がん検診の啓発など
ボランティア活動に取り組む喜び



―東日本大地震の被災者支援もいち早く
始められました。今後の夢や元気になる
コツを教えてください

 この度出版する本の私の印税全額は国連UNHCR
協会と私が代表を務めるselfを通して震災
義援金、そして世界の難民支援のために使わせて
いただきます。難民支援や児童虐待防止、がん検
診の啓発など、さまざまなチャリティーイベントに
も取り組んでいますが、社会から必要とされること
が私の喜び、生きる力なんです。夢は大きくて、世
界を舞台に活動すること。いつか宇宙旅行にも行
きたいですね(笑)。
 落ち込んだときは、自分が笑顔になる「秘密兵器」
を持っておくといいですよ。例えば、赤い服を着る
と元気が出るとか、ケーキを食べるとテンションが上
がるとか、自分を盛り上げてくれる「何か」を決めて
おく。私が心しているのは、嫌なことをされて腹立た
しい人には、逆に思い切りやさしくしてみるとか、嫌
なときほど笑顔でいるとか、負のエネルギーを自分
のところで断ち切ること。本にも色々書きましたの
で、ぜひ読んでください!

〈取材を終えて〉
 松田さんのお話を聞いていると、自分
の悩みがいかにも小さくて恥ずかしいくらいでした。歌声
は迫力いっぱいで、メッセージ性があり、ライブには10代
から80代の男女が押しかけてくるそう。納得です。


文/渡辺せつ子 写真/岸隆子


【Profile】
まつだ・ようこ 大阪生まれ。関西外国語大学卒業。高校・大学在学中
にアメリカ、スペイン、フランスに留学し、語学力を磨く。1996年渡米、
ブロードウェイのマリオットホテルで、ジャズやポップスをレギュラーで
歌う。結婚後は専業主婦になるが、31歳で子宮頸がんを発病。がん・う
つ・離婚を乗り越え、現在、シンガーソングライター、バイリンガル司会
者(英語・日本語)、通訳として活躍。一方、ボランティア団体「s e l f 」
代表、国連UNHCR協会協力委員として、難民支援や地震の被災者支
援など、さまざまなチャリティーに取り組む。先月、自らの半生を綴った
『生きてるだけで価値がある』を出版。
公式ウェブ http://www.yokomatsuda.com/



『生きてるだけで
   価値がある』
(サンマーク出版/1300円+税)

4月出版。「前向きになれる」「元気がわく」と大
きな反響を呼んでいる。子宮頸がん予防につい
ても自身の経験から詳しく述べている。



同じカテゴリー(シティライフインタビュー)の記事画像
【シティライフインタビュー】5月号 筧 利夫 さん
【シティライフインタビュー】4月号 口笛 太郎 さん
【シティライフインタビュー】2月号 正司照枝さん
【シティライフインタビュー】1月号 Skyさん
【シティライフインタビュー】12月号 上田正樹さん
【シティライフインタビュー】11月号 松尾貴史さん
同じカテゴリー(シティライフインタビュー)の記事
 【シティライフインタビュー】5月号 筧 利夫 さん (2012-05-31 20:12)
 【シティライフインタビュー】5月号 桜 稲垣早希さん (2012-04-27 00:00)
 【シティライフインタビュー】4月号 口笛 太郎 さん (2012-03-29 21:29)
 【シティライフインタビュー】3月号 友近さん (2012-02-28 00:00)
 【シティライフインタビュー】2月号 正司照枝さん (2012-01-31 00:00)
 【シティライフインタビュー】1月号 Skyさん (2011-12-27 00:00)

Posted by 北摂・阪神の情報紙シティライフ at 00:00 │シティライフインタビュー