シティライフ「エンターテインメント」

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2012年03月29日

【シティライフインタビュー】4月号 口笛 太郎 さん

口笛奏者、音楽プロデューサー
口笛 太郎 さん



みんなで口笛を吹けば
幸せがいっぱいに


「口笛太郎」とは、口笛という「楽器」の
未来を背負って立つ、代表者として、
仲間から託された名前なのだという。
東京は多摩川の河川敷で、撮影の合間に、
ビートルズナンバーを聴かせてもらった。
ヒュルヒュルと転がるような澄んだ音が、
太郎さんの口からあふれ出てくる不思議― 。
CD『PlaysBeatles』が話題沸騰中の、
口笛太郎さんに、口笛の魅力をうかがった。

3オクターブの音域をもつ
口笛という「楽器」


――口笛を吹き始めた経緯からお聞かせください。
僕が小学校3、4年生の頃、兄がいつも口笛を吹いていて、それを真似たのが始まりです。
高槻の田舎で育ち、原っぱとか淀川河川敷とか、遠慮なく吹ける場所がいくつもあったので、すごく大きい音、高い音、低い音、舌や唇で変化をつけた音…と口笛で一日中遊んでいました。
本当はピアノを習いたかったんですが、小指が短すぎて難しいと言われ、その悔しさもあったのでしょうね。口笛はどんどん上達して6年生のとき、音楽の時間に聴かされたレコードの口笛より「僕のほうが絶対うまい」と確信。
先生に話したら、吹いてごらんと。吹いたら「本当にうまい!」とほめられ、そのとき「口笛は僕の大切な楽器」と自覚しました。
3オクターブの音域と、音の大きさには、少々自信を持っています(笑)。
僕は学生時代、受験勉強をほとんどせずに遊べるだけ遊んでいました。中学ではギター小僧、大学ではビッグバンド…口笛の自由な音色の影響か、とにかく明るく楽しく生きるというスタイルは、あの頃にできた気がします。

口笛とギターのライブから
プロ奏者としてデビュー


―趣味の口笛吹きから一躍、プロ奏者になられたのは?
大学卒業後は音楽関係の会社に勤めていたんですが7、8年前、たまたまテレビ番組の音楽を制作している人と仕事で出会い、ドラマ「子連れ狼」などのBGMの口笛を引き受けることになったんです。
やってみると、けっこう高い評価を受け、会社勤めのかたわら、休日の音楽活動が恒例の生活になりました。
ギターの大里和生さんとカフェで、「口笛とギターの週末ライブ」を始めると、レコード会社の人から「CDを出しませんか」と誘われてびっくり。実は、僕も音楽関係の人間で、新人に「CDを出しませんか」とさんざんやってきたのに、自分が言われると、こんなにも緊張するものかと(笑)。こうして’07年に初めてのCDが出て、それをきっかけに日本中の口笛愛好家との交流が始まりました。
口笛の魅力は何といっても、自由で豊かな気持ちになれること、心が優しく癒されること。
JR高槻駅前を歩く人がみんな口笛を吹いていたら…なんて想像するだけでも幸せな気分になりませんか?お子さんもお年寄りも気軽に取り組める、こんな凄い「楽器」は他にないと思いますね。



口笛太郎Duoが奏でる
ビートルズの名曲がCDに


―「プレイズ・ビートルズ」が話題になっていますが、
今後の活動についてお聞かせください

今年はビートルズのデビュー50周年。ビートルズ初来日の年に生まれ、ビートルズサウンドでロックに目覚めた僕としては、ビートルズの名曲をカバーするアルバムのリリースは感慨もひとしおです。
今後はベートーベンなどのクラシック音楽や伝統音楽にも挑戦して、口笛という楽器の可能性を、もっともっと拡げたい。
ただし、僕の最終目標はCD制作やお金ではありません。僕の夢は、会社の休日を利用して地方を巡り、小さな会場で、みんなで口笛を一緒に吹く。そして地元の人とうまいご飯を食べ、うまいお酒を飲み、語り合い、1人でも多くの人に口笛の魅力を知ってもらうこと。被災地にも通っていますが、口笛でその土地、土地に幸せを届けることができれば。
最近は同級生が亡くなったこともあって、自分だっていつ人生が終わるか分からないと本当に思いました。
だったら、やりたいことを目いっぱいがんばって楽しく生きたい。目標は「幸せ」です。

〈取材を終えて〉 
取材は、口笛太郎さんがライブを開催し
てデビューにつながった、世田谷区玉川の「カフェフーケ」で。
確かに太郎さんの小指はかわいらしくて、私の小指の半分ほどでした。
太郎さんを口笛奏者に導くための神の配剤かも!?


文/渡部せつ子 撮影/比嘉研一郎
取材協力/カフェフーケ(東京都世田谷区/玉川高島屋S.C本館1F)

【Profile】
くちぶえ・たろう 1966年高槻市生まれ。
小学校低学年から口笛を吹き始め、高学年でウォーブリングというテクニックを習得、口笛を自らの楽器と認識する。
大学卒業後は会社員として働きながら休日に音楽活動を継続。テレビ朝日系ドラマ「子連れ狼」、NHK「関口知宏の中国鉄道紀行」などの番組音楽の口笛を担当し高い評価を受ける。
07年、口笛太郎Duoとして1stアルバム『風とギターケース』をリリース、話題を呼ぶ。
10年には2ndアルバム『ジブリとギターと口笛と。』を、今年2月には3rdアルバム『PlaysBeatles』をリリース。
日本口笛奏者連盟創設に参画し、現在理事。
http://home.m00.itscom.net/kuchibue/


2012年2月7日発売
「Plays Beatles」口笛太郎Duo 
イエスタデイなど16曲収録 1,995円

ビートルズの名曲を口笛とギターでカバー。
アマゾンほか口笛太郎さんのHPからも購入できる。  


Posted by 北摂・阪神の情報紙シティライフ at 21:29シティライフインタビュー

2012年02月28日

山田まりやさん

face02いま話題のアノ人に編集部が会ってきました!

「往年のファンから若い世代まで
心から楽しめる舞台です!」


女優・タレント
山田まりやさん


―こまつ座の第九十六回公演は、過去何度も再演を重ねてきた井上戯曲の名作『雪やこんこん』。
今回、13年ぶりの公演となる本作に出演する、山田まりやさんにお話しを伺った。


 時代は昭和二十年代の終わりの十二月中旬。
場所は北関東のとある湯治場の旅館が経営する芝居小屋の「湯の花劇場」。
大衆劇団「中村梅子一座」が繰り広げる心あたたまる人情芝居『雪やこんこん』
は、’87年の初演以来、市原悦子や宮本信子など実力派俳優たちによって
幾度も再演されている名作だ。
今回、主役・中村梅子を演じるのは、テレビでも大活躍中の高畑淳子。
山田さんは、一座の座員役で出演する。「井上作品の魅力は、何といっても言葉
の表現」と山田さん。
「例えば〝私は貧乏で〞と言い表すときに〝季節がきたって初物(はやり)の秋刀魚一匹
ろくに食えねえような俺だが〞と表現する。情景や人の気持ちを美しく豊かに伝える
台詞の数々は、観る人の心を舞台へと引き込んでくれるはず」と話す。
 「舞台が大好きなんですが、昔は声がコンプレックスだったんです」
と山田さん。そんな時、大女優・森光子さんに「滑舌も声もいいよ」と
褒められたことで、舞台出演に自信がついたそう。今回、老舗・こまつ座への出演が
決まり「期待で胸がワクワクしています!」と、意気込みも十分だ。
「舞台は演者だけのものじゃなくて、お客様と一緒に創り上げていくもの。
長年愛され続けている名作を、ぜひ私たちと一緒に楽しんで欲しいです」と山田さん。
宝石のような名台詞、観客を惑わすどんでん返し―
『これぞ舞台の醍醐味』を、思う存分味わって欲しい。

文/山下満子  写真/岸隆子

【Profile】
1980年3月5日、愛知県生まれ。
タレントとして幅広く活躍する一方、
2000年より、20本の小劇場から
商業演劇まで幅広いジャンルの
舞台に出演。月10本の芝居
観劇をし、近年は年間5本の
舞台をこなすなど、女優として
精力的に活躍中。主な舞台に
『雪まろげ』『おもろい女』
『キル』『しとやかな獣』など。

マイク編集部voiceマイク
テレビでの印象そのままにとってもキュートで明るい方!
舞台について丁寧に語ってくださる姿に、
情熱と意気込みを感じました。

【上演情報】

こまつ座 第九十六回公演「雪やこんこん」
■日時:3月16日(金)19時・17日(土)13時
■場所:森ノ宮ピロティホール(JR大阪環状線「森ノ宮駅」から徒歩5分、
地下鉄 中央線・長堀鶴見緑地線「森ノ宮駅」2番出口から徒歩2分)
■作:井上ひさし 演出:鵜山仁
■出演:高畑淳子・金内喜久夫・今拓哉・村田雄浩・山田まりや ほか
■チケット:7,500円(全席指定・税込)※未就学児は入場不可
■問合せ:キョードーインフォメーション
 TEL.06-7732-8888(10時~19時)
 http://www.kyodo-osaka.co.jp/  


Posted by 北摂・阪神の情報紙シティライフ at 00:00Monthly Push Up!~マンスリー プッシュアップ!~

2012年02月28日

【シティライフインタビュー】3月号 友近さん

芸人
友近さん

芸人としてオモロイからこそ
いろんなことに挑戦するんです


いろいろなキャラになりきる「ひとりコント」に、
バラエティに、歌に、お芝居に・・・。
幅広い分野で発揮する多才ぶりは、
「当代きっての女芸人」と言っても過言ではない。
そんな彼女が、ブロードウェイで人気を博した
ミュージカルコメディに出演。
日本初上陸となるこの舞台で、
今度はどんな「芸人・友近」を、
私たちに見せてくれるのだろうか。


ブロードウェイで絶賛上演された
痛快ミュージカルに挑戦


―「9時から5時まで」の見所について
お聞かせください。

 1980年に公開された映画「9時から5時まで」のミュージカル版で、
男性中心主義で男尊女卑、セクハラしまくりの社長を、3人の女性たちが
やっつける痛快オフィスコメディです。約30年前の物語なので「古さ」もあるんですけど、
男性優位の社会の中で女性たちが最初に立ち上がろうとしたお話しを、
今の時代に敢えてやることの面白さがありますね。
上司のパワハラやセクハラに対し、3人の女性たちが知恵を出し合って
逆襲していくくだりは、明るく前向きなパワーを感じていただけるはず。
さらに、カントリー・ウェスタンの大御所ドリー・バートンによる美しく楽しい音楽も、
大きな魅力のひとつです。
 映画では急に漫画のキャラクターが登場して「なんじゃコレ!(笑)」と思う
演出があったりするんですが、舞台ではどう表現していくのか、楽しみな部分。
そういう意味では可笑しくて滑稽な作品なので、「アホやなぁ」っていう目で
楽しんで欲しいな、と(笑)。

あくまでも核にあるのは
「芸人・友近」


―「ひとりコント」では、様々なキャラになりきる友近さん。
本作のドラリー役はいかがですか?

 とらえどころが難しいキャラクターですね。
テキサス出身で気のいい田舎娘のドラリーは、とてもキュートでセクシー。
社長からセクハラを受け、同僚からは陰口をたたかれてしまう役なんですが、
バカっぽく見えて実は賢く、3人の中でも一番しっかりしている。天真爛漫かと
思えば昇進のためにじっと耐え、同僚の陰口に傷つきもする…
そんなドラリーは、3人の中で一番「笑いどころ」がなくて、
芸人が演じるには遊べないキャラ。それをあえて私が演じるところが、オモロイかなと(笑)。
どんな仕事をするにしても、私の核にあるのは「お笑い」なんです。ミュージカルに出る自分がオモロイ、
草刈民代さんや紫吹淳さんと一緒に並ぶ自分にワラける(笑)。
もちろん、舞台には真剣に臨みます。
けど、その一方で、そんな自分を可笑しがる自分もいて…。
「芸人・友近」としておもしろいからミュージカルにも挑戦するし、
そこでの貴重な経験を、またお笑いへとつなげていきたいですね。

これまでも、これからも
一歩もブレないスタンス


―いろいろな経験が、芸人としての「糧」になる、
という感じですね。

 そうですね。たとえば舞台の会見で、絶対プライベートなことを聞かれるんです。
私としては正直答えたくないわけですけど、ここで「ミュージカルの記者会見で
プライベートなことをしゃべる女優」というコントを成立させるためにしゃべる(笑)。
そして、そのネタを単独ライブに持っていって、「あ、友近がまたやらかしてる」と
笑ってもらう…その繰り返しなんです。
ですから、おもしろがれるなら、いろいろな仕事をしていきたいという思いはありますね。
よく「どこへ向かってんの?」と聞かれるんですが、あくまでも「芸人・友近」であるスタンスは、
昔から一歩もブレてないつもりですし、今後もチャンスがあれば芸人としていろいろなことに
挑戦したいと思っています。
 2012年は、私のキャラのひとつである、演歌歌手・水谷千重子の全国ツアーも行う予定。
ドラリーとして、そして水谷千重子として…それぞれの「芸人・友近」を、
皆さまに楽しんでいただければ嬉しいですね。


〈取材を終えて〉 
友近さんのコントネタでいつも笑わせていただいてましたが、
今回お会いして芸人としての確固たる想いをお聞きし、
「本当にお笑いが好きな方なんだ」と実感。
同時に、友近さんの多才ぶりや面白さの理由が、少し分かったような気がしました。


文/山下満子 撮影/岸隆子

【Profile】
ともちか(本名:友近由紀子)
1973年8月生まれ愛媛県出身。
NSC大阪23期生。2001年5月にbaseよしもとで初舞台を踏み、
さまざまなキャラクターになりきる「ひとりコント」をはじめ、
独自の笑いで多くのファンをつかむ。
2002年、第33回NHK上方漫才コンテストで優秀賞、
2003年、NHK新人演芸大賞で大賞、
2004年ABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞をそれぞれ受賞するなど、
名実共に実力派芸人として成長。その他、歌、映画、ドラマ、司会、
書籍の執筆など、幅広い分野で活躍。
2011年には、ミュージカル「アニー」に出演。

【上演情報】
ザ・ミュージカル「9時から5時まで」
日時:4月7日(土)14時・18時半 
    4月8日(日)13時
会場:イオン化粧品 シアターBRAVA!(大阪市中央区城見1-3-2)
料金:全席指定9,800円(税込)
※未就学児の入場は不可
各プレイガイド、劇場窓口等で好評発売中
問合せ:グリークス  TEL.06-6966-6555
http://greeks.co.jp/  


Posted by 北摂・阪神の情報紙シティライフ at 00:00シティライフインタビュー

2012年01月31日

鎌苅健太さん

face02いま話題のアノ人に編集部が会ってきました!

「家族へ、友人へ、恋人へ―
いろんな愛に溢れた作品です」


俳優
鎌苅健太さん
かまかりけんた

―芸人・長原成樹の自伝小説『犬の首輪とコロッケと』が待望の映画化!大阪・生野を舞台に
繰り広げられる〝真実の物語〞、その主役を演じる鎌苅健太さんにお話しを伺った―


 A B C テレビ『探偵!ナイトスクープ』のレポーターをはじめ、
芸人、役者として活躍中の長原成樹さん。
自伝小説『犬の首輪とコロッケと ―セイキとズイホウの30年』は、
札付きのワルから笑いの世界に飛び込むまでの、優しくも痛々しい、
超リアルな物語だ。舞台は昭和のディープな大阪・生野。
主役・セイキを演じるのは、若手注目株の鎌苅健太さん。〝他人の人生
を演じる〞という難しい役どころについて、「著者であり監督である成樹さんと
正面から向き合い、じっくりと話し合いを重ねた」と鎌苅さん。
「この作品には成樹さんの半生があり、そこには親や友人、恋人との、
さまざまな愛情が溢れています。そして、どんな苦難にもくじけず、
前に進む強さがある。役を演じることで、たくさんのことを学ぶことができました」と話す。
「どのシーンも思い入れがある」という鎌苅さんだが、少年院を出たセイキを迎える、
父親役・山口智充さんとのひとコマは格別だという。「父親のさまざまな苦労や想いが
表情だけで伝わってきて…すごい役者さんだと感じました」と語る。
そのほか、ケンカ相手・ヤマト(中村昌也)との万感の想いを込めた殴り合いのシーンなど、
「一つひとつが熱く心を打つ」という。「人の人情が厚かった昭和という時代…大切な人への
想いを再確認できる映画です」〝大阪のしょーもない不良が、大人に変わるまでの真実の物語〞
―ぜひ大切な人と一緒に観て欲しい。

文/山下満子  写真/岸隆子

【Prpfile】
1984年2月17日、大阪生まれ。
2005年、舞台『THE☆SUSAIKU』
の上杉真治役で俳優デビュー。
同年ミュージカル『テニスの王子様』
The imperial Match 氷帝学園・宍戸亮役で人気を博す。
その後、TVドラマ、舞台、映画、バラエティなど幅広い分野で活躍する
ほか、アニメ声優、MCとしても才能を発揮。

icon26編集部voiceicon26

【上映情報】
「犬の首輪とコロッケと」
■原作・監督:長原成樹
■出演:鎌苅健太、ちすん、中村昌也、宮下雄也(RUN&GUN)、池田純矢 ほか
1月28日(土)より、梅田ブルク7/MOVIX京都/109シネマズHAT神戸、他にてロードショー

©2011「犬の首輪とコロッケと」製作委員会  


Posted by 北摂・阪神の情報紙シティライフ at 00:00Monthly Push Up!~マンスリー プッシュアップ!~

2012年01月31日

【シティライフインタビュー】2月号 正司照枝さん

女優、漫才師(かしまし娘)
正司 照枝さん



78歳、祖母役がやっと
はまってきましてん


朝の連続テレビ小説『カーネーション』で、
正司さん演じるヒロインの祖母、ハルさんの
助命嘆願がN H Kに多数届いたそうだ。
正司さんの人間味あふれる眼差しと存在感が
ドラマの大きな魅力になっているからだろう。
姉妹漫才の陽気で姦しい「かしまし娘」から
女優・正司照枝となって3 1 年― 。
舞台、ドラマ、映画の母親役、祖母役に
大活躍の毎日である。

『カーネーション』で大ブレーク
年齢を重ねたいぶし銀の芸


―NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』をはじめ、
テレビ・映画で大活躍ですね


 『カーネーション』の小原ハルさんは大好きな役
でした。主人公・糸子の祖母で、糸子の父・善作の母。
オファーをいただいたときには、ああ、これなら着物を着て、
台所に居たらええんやなと。
撮影は去年5月から10月までの長丁場でしたが、
台本はいいし、私の母と年代が重なるので、母の前掛け姿
を思い出し、同じものを衣裳さんに作ってもろたり、
皆さんの着物や仕草について提案したり、やりがいのある仕事でした。
顔や髪はそのまんまで、自然にやらせてもらいましたが、
反響が大きいてびっくり。応援のお手紙をいただくわ、
「おばあちゃんを殺さんといて」いう助命嘆願がNHKにぎょうさん
届くわ…ありがたかったです。でも1月10日、ついに92歳で大往生しました(笑)。
公開中の『ALWAYS三丁目の夕日’64』では、主人公の妻ヒロミ(小雪さん)の
赤ちゃんを取り上げる産婆役。時代は東京オリンピックの年で、テレビが家庭
に普及しだした頃、懐かしいて心が温かくなる映画です。映画『毎日かあさん』
では主人公(小泉今日子さん)の母親役。私はこれまで舞台専門で、若い美しい
役をやってきたんやけど、78歳にして母親役や祖母役を楽しんでいます。

天才少女漫才師から
かしまし娘、そして舞台女優へ


―照枝さんといえば
♪ウチら陽気なかしまし娘…
3人姉妹の姦(かしま)しい漫才を思い出します

 親が旅回り一座の興行師だったので、3歳から当たり前のように舞台に
立ちました。はじめは歌江姉ちゃんに教えてもろて、言われるままに漫才
をやって、次に妹の花江ちゃんと漫才コンビを組んで、一時期、結核を患ったりしてね。
そのあと「かしまし娘」になったんです。
私はもの心ついた頃から、両親が働いているのを見たことがない。私ら子どもが働いて
一家を支えていたからです。だから、当時は舞台が好きとか、嫌いとか言うてられへんかった。
かしまし娘が25周年で活動休止してから、私は舞台女優になろうと松竹新喜劇に入ったんです。
ナマの舞台は日によって、お客さんの雰囲気が全然違う。お客さんとのやりとりが面白うて、
いちばん好きやね。長男が生まれる直前も舞台に立っていたし、出産後も物陰で
お乳をやりながら舞台に立った。もちろん、テレビや映画も好きやけどねぇ。



ロックギタリストに夢中の
吹田市でのマル秘・私生活


―芸に対する思いや
今後についてお聞かせください

 いただいた役は、どんな役もありがたくお受けします。
ただし、自分の私生活を切り売りするような仕事はお断りします。
私、ペラペラしゃべっているようで、実は秘密主義。個人的なことは
誰にも言いませんし、大勢の会食も苦手で、一人で、近所のレストランや
天ぷら屋さんに行きますよ。残念なのは最近、やたらと私事を暴露して
笑いを取るテレビの風潮。芸人さんには「ほんまの芸をしっかり磨いて」と言いたい。
千里ニュータウンは万博の前年から住んでいますから、もう43年。静かで、便利で、
大好きです。趣味はロックギタリストのエリック・クラプトン。惚れ込んでます(笑)。
今後ですか?セリフが覚えられんようになったら引退しようって、花江ちゃんとも
話しているんやけど、これが不思議。台本をいっぺん読んだらスパーンと頭に入る。
3歳からやっている仕事やから、習性なんやろうね。
そういうわけで、まだまだ、女優、やりまっせ!

〈取材を終えて〉 
私は「カーネーション」の大ファン。
ハルさんの一挙手一投足に、何度も泣かされました。
今回お話をうかがって、天才少女漫才師時代からの研鑽が結晶した
存在感なのだと納得です。お茶目な照枝師匠の大ファンになりました!


文/渡部せつ子 写真/幸田太郎 
撮影協力/千里阪急ホテル

【Profile】
しょうじ・てるえ 1933年北海道小樽市生まれ。
父は旅回り一座の座長で、3歳から舞台に立つ。
天才少女漫才として人気を集めた後、56年、姉の歌江さん、妹の花江さんと
3人で漫才トリオ「かしまし娘」を結成、三味線、ギター、流行歌などを交えた音曲漫才で、
一世を風靡する。66年、第1回上方漫才大賞を受賞。81年、かしまし娘が活動を休止した
のを機に、松竹新喜劇に入団し、舞台女優として活躍を始める。
近年はNHK『カーネーション』、映画『毎日かあさん』『ALWAYS三丁目の夕日’64』などでも
存在感のある高齢の女性を演じ、注目を集めている。



「千里ニュータウンは静かなのにホテルや百貨店もあって、
緑も多く、暮らしやすいねん。自分で車を運転してどこへでも行きます」
と“わが町談義”に花が咲いた。姉妹のお宅は歩いて数分圏内にあるそうだ。
  


Posted by 北摂・阪神の情報紙シティライフ at 00:00シティライフインタビュー